【オークランドから北の果てへ】90 Mile BeachとCape Reingaを目指した、忘れられない失敗談

New Zealand (ニュージーランド)

オークランド滞在中、日本に帰る前にニュージーランド最北端の灯台を見に行こうと思い立ち、車を借りて北上しました。地図を確認するとCape Reinga(ケープ・レインガ)まで片道約6時間。「ニュージーランドに長く住んでるし、大丈夫だろ」という軽いノリで北へ向かったのですが——海外生活に慣れてきた時に自信がついてきた時が一番危ない、とよく言いますよね。この日、身をもってそれを実感することになります。


まずはMatauri Bayへ:言葉を失う絶景との出会い

Cape Reingaへ向かう途中、休憩で立ち寄ったMatauri Bay。車を停めた瞬間、思わず声が出ました。それほどの絶景でした。このビーチは美しいだけでなく、初期ポリネシアン上陸の伝承やKupe伝説、Samuel Marsdenの上陸など、マオリにとって特別な意味を持つ歴史的な土地でもあります。こんな場所に偶然立ち寄れたことは、この日の数少ない幸運のひとつでした。

突然のストップサイン——タンクローリーと間一髪

景色に気分が上がったまま北上を続けていると、山道の高速道路が突然終わり、ストップサインが現れました。あまりよく確認せずに左折すると、その先は車が交互にしか通れない1車線の細い道。

左折した次の瞬間、目の前にタンクローリーが迫ってきました。

お互いギリギリで止まり、大事故は免れました。トラックの運転手にはものすごい剣幕で怒鳴られましたが——それはそうです、完全にこちらが悪い。何事もなかったのが奇跡でした。それにしても、高速の出口のすぐ先にあんな細い1車線道路を作らなくてもと思いますが、地元の人には常識なのでしょう。旅行者は要注意のポイントです。

ともあれ、事なきを得てほっとしながら北上を再開しました。まさかこの後、もうひとつ怖い体験が待っているとは思いもせずに。

90 Mile Beach:果てしない海岸線に思わず長居

気を取り直してさらに北へ。どうしても立ち寄りたかった90 Mile Beach(ナインティ・マイル・ビーチ)に到着しました。名前の通り、砂浜が水平線の彼方まで延々と続いています。車を停めて浜を歩き、しばらく海を眺めていると、あっという間に時間が経っていました。この長居が、この後のスケジュールに微妙な影響を及ぼすことになるのですが、その時点ではまだ気づいていませんでした。


北へ北へ——Cape Reingaを目指して

90 Mile Beachを後にして、いよいよ最北端へ向かいます。道は次第に細くなり、ガソリンスタンドも、商店も、人の姿も消えていきます。文明から切り離されていく感覚とともに、「本当に最果てに来ているんだな」という実感が増していきました。そしてようやくCape Reingaまであとわずか、というところで——夕方に差し掛かってしまいました。


ついに到着……したけれど、何も見えなかった

駐車場に着いた頃、ちょうど日が沈み始めていました。歩いてすぐのところに灯台があるはずなのに、辺りはすでに薄暗い。夕暮れに染まる海は確かに美しい。でも目的は灯台だったはずなのに。

「……あれ?」

思わず笑ってしまうほど、完璧なタイミングの悪さでした。


暗闇の中で、謎の車に尾行される

問題はこれだけではありませんでした。ここから最寄りのホテルまで、車で1時間以上。灯台を見られなかった悔しさを抱えながら暗い山道を走っていると、路肩に止まっていた車が突然動き出し、私の後ろについてきました。

気のせいだろう、と思っていたのですが、その車がライトをチカチカと点滅させ始めました。

さすがに怖くなってスピードを上げ、前の車を数台追い越して距離を置こうとしました。しかしその車も同じように追い越してきて、また私の真後ろに。真っ暗な山道で、これはまずいと判断してさらに加速。それでも離れません。

ホテルまであと少しでしたが、このままチェックインすれば宿泊先がバレてしまう。そう判断してホテルを通り過ぎ、ガソリンスタンドに入りました。流石にここまでは来ないだろうと思い、給油して支払いを済ませて外に出ると——その車がガソリンスタンドに入ってきました。

こちらをじっと見ながら、何も言わずにすれ違い、店の中へ入っていきました。私は急いで車を出し、来た道を引き返しました。途中のレストランの駐車場で一旦停車し、尾行されていないことを確認してから、ようやくホテルへ向かいました。

タンクローリーとの衝突未遂から数時間後のこの体験は、精神的にかなりきつかった。その夜はなかなか眠れませんでした。


翌朝、灯台を見ずにオークランドへ帰宅

翌朝目が覚めると、もはや灯台などどうでも良くなっており、そのままオークランドへ直帰しました。

Cape Reinga——一応行ったけど、灯台は見られませんでした。

今になって写真を見返すと、Matauri Bayも90 Mile Beachも本当に美しい場所だったと気づきます。当時は負の記憶として塗り潰されていましたが、今では笑い話にできるようになりました。旅は楽しいものですが、一瞬の気の緩みや判断ミスが思わぬ危険を招くこともある。そのことを、この旅はしっかり教えてくれました。


これから行く人へのアドバイス

① 必ず早朝に出発する オークランドからCape Reingaは片道約6時間。途中のビーチに立ち寄ることを考えると、それ以上かかります。灯台を明るい時間に見るためには、夜明け前後に出発するくらいの心づもりが必要です。

② 途中で1泊することを強くおすすめする 途中の街(Cable Bay沿いなど)で1泊すれば、翌朝余裕を持ってCape Reingaへ向かえます。日帰りは距離的にかなり厳しいです。

③ 1車線道路に注意 高速道路の終わりに突然現れる細い道が存在します。標識をしっかり確認してから進入するようにしてください。



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