【Germany Vol. 4】駅を出たら巨人の足元——ケルン大聖堂に息を呑み、ボンでベートーヴェンに触れる日帰り旅

Cologne/Bonn (ケルン・ボン)

1. 駅を出たら、そこは「巨人」の足元だった 

ベルリンからICE(高速列車)でケルン中央駅へ。改札を抜けた瞬間、目の前に突如現れたのは、言葉を失うほど巨大な建造物——ケルン大聖堂(Kölner Dom)。

青空の下で見上げるその姿は、圧倒的な質量感と、壁面を埋め尽くす精緻な彫刻にめまいがしそう。600年以上の歳月が凝縮された“時間の厚み”が、そこに静かに立っていました。

ケルン大聖堂|昼と夜で表情を変える“巨人”

夜になると風景は一変。暗闇に浮かぶシルエットは、荘厳というよりも畏怖を覚えるほどの迫力。中に入れば、外の喧騒が嘘のような静寂と、天へ伸びるような高い天井。ステンドグラスの光が床に落ち、空間全体が神聖な空気に包まれます。

2. ケルンの流儀:わんこ蕎麦スタイルのケルシュと「肉の塊」 

大聖堂に圧倒されたあとは、旧市街(Altstadt)へ。ライン川沿いにカラフルな家並みが続く、絵本のように可愛らしいエリアです。

ケルンに来たら外せないのが地ビールの「Kölsch(ケルシュ)」。日本の瓶ビール用グラスほどの小ぶりな200mlグラスで提供され、飲み干すとウェイターが間髪入れずに新しい一杯を“ドン!”と置いていきます。コースターでグラスに蓋をするのが「もう結構です」の合図。まるでわんこ蕎麦のようなシステムが、気持ちよく喉を潤してくれます。

そして、ケルシュの最強の相棒がこちら。

シュバイネハクセ(Schweinshaxe)——豚のすね肉を皮がパリパリになるまでローストしたドイツの定番料理。ナイフが突き刺さった状態で登場するその“肉の塊”は、見た目のインパクトもさることながら、噛めばじゅわっと旨みが広がり、ビールが止まらなくなります。子どもの頃、アニメ『小さなバイキングビッケ』の海賊たちが頬張っていた“あの肉”って、きっとこれだ——そんな憧れが叶った瞬間でした。

3. かつての首都、ボン——天才音楽家の故郷へ

ケルンから電車で南へ約30分。かつて西ドイツの首都だった Bonn(ボン) にも足を延ばしました。ここは、偉大な音楽家 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン が生まれ育った街。

ベートーヴェンの家|ピンクの外観が目印の聖地

中心部にある淡いピンク色の建物 「ベートーヴェンの家(Beethoven-Haus)」 は、彼の生家。館内は博物館になっており、直筆譜や実際に使用していた楽器など、息遣いが伝わってくる展示が並びます。音楽ファンはもちろん、そうでなくても心が静かに震える“聖地”です。

街全体はとてもコンパクトで穏やか。「かつての首都」という肩書きから想像する堅さは微塵もなく、ボン大学前の広大な芝生では学生たちがサッカーを楽しむのどかな光景が広がっていました。ケルンの熱気とは対照的な、ゆったりと流れる時間。これこそボンの魅力だと感じます。

4. 旅の終わりに 

ベルリンのアーティスト気質、港町ハンブルクの海風、赤いレンガが美しいシュトラールズント、そしてケルンとボンに息づく陽気なラインラントの空気。ドイツは、街ごとにまったく違う顔を見せてくれました。
重厚な歴史、美味しいビール、そしてシュバイネハクセ。ドイツの旅を締めくくる場所として、この2つの街は最高でした。

ドイツを離れてから早10年。振り返ってみると、本当に貴重な体験を重ねてこられたのだと改めて実感します。次に訪ねる機会があれば、ドレスデン や ミュンヘン にも足を運んでみたい——そう思わせてくれる、心に残る小旅行でした。

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