今回の旅はドイツ第二の都市ハンブルク(Hamburg)です。ベルリンから電車で2時間半、バスで3時間くらいです。
駅を降りた瞬間に感じるのは、圧倒的なスケール感と、あふれんばかりの活気。 ここは「Tor zur Welt(世界への門)」と呼ばれる、ドイツ最大の港町です。この街には荒々しい港町の側面と洗練されたヨーロッパの街の二つの顔が存在します。
港のシンボル、ザンクト・パウリ桟橋
まず向かったのは、エルベ川沿いの「ザンクト・パウリ桟橋(Landungsbrücken)」。

逆光に浮かび上がる時計塔のシルエット。 ここから世界中へ向かう船が出入りし、また世界中の船がここへ入ってきます。 磯の香り、カモメの鳴き声、そして行き交うフェリーのエンジン音。 「ハンブルクに来た!」と最も強く感じる瞬間です。

世界遺産の倉庫街だけじゃない。港沿いの「グローセ・エルブ通り」を歩くと、古いレンガ工場をリノベーションしたモダンな風景に出会えます。ここはデザイン家具の店などが集まる「Stilwerk」付近。古いものを壊さず、新しく使い続けるハンブルクの美学を感じます。
圧倒的な富の象徴「市庁舎」
港から街の中心部へ移動すると、景色は一変します。

目の前に現れたのは、ハンブルク市庁舎(Hamburger Rathaus)。 緑青の屋根と、精密な彫刻で飾られたファサードは、まるで王宮のよう。 実はハンブルクは、歴史的に「自由ハンザ都市」として独立を守ってきたため、王様がいません。 この豪華な市庁舎は、王様ではなく「市民(商人たち)の力と富」で建てられたもの。 港で稼いだ富がいかに莫大だったか、この建物を見るだけで分かります。
橋の数はヴェネツィア以上?「水の都」の優雅さ
市庁舎の裏手には、優雅なアーケードと運河が広がっています。

ここは「アルスター・アルカデン(Alsterarkaden)」。 白い回廊と、水面に映る影。まるでイタリアに来たかのような景色です。 実はハンブルク、街中を無数の運河が流れており、橋の数はヴェネツィアやアムステルダムよりも多いと言われているそうです。

街の中心にある「アルスター湖」では、優雅にヨットに乗っている人たちがいます。 さっきまでの「鉄と油の匂いがする港」とは別世界。 この「優雅な水辺」もまた、ハンブルクの違った姿です。

ここは高級ブランド店が並ぶ「ノイアー・ヴァル」周辺。倉庫街とはまた違う、洗練された「水の都」の表情です。
巨大クレーンと外輪船
再び港エリアに戻ると、やはりここには「男のロマン」的な風景があります。

手前を行くクラシックな外輪船と、奥にそびえる現代の巨大クレーン。 観光地でありながら、今も現役バリバリの工業地帯でもある。この「ごちゃ混ぜ感」がたまりませんね。
日曜の朝だけ現れる「熱狂」
ハンブルクの旅のハイライトは、日曜日の早朝に訪れました。 名物「フィッシュマルクト(Fischmarkt:魚市場)」です。

早朝5時(冬は7時)から始まり、昼前には終わってしまうこの市場。 新鮮な魚はもちろん、果物、花、そしてガラクタまで、あらゆるものがトラックの荷台で売られています。
そして、市場のメイン会場である「フィッシュアウクションハレ(魚市場会館)」の中に入ると……

朝から生バンドが大音量でロックを演奏し、人々がビール片手に踊っています。 朝食というよりは、「土曜の夜のパーティがまだ続いている」ようなテンション。 真面目なイメージのあるドイツ人が、朝から全力で人生を楽しんでいる姿に、これ以上ないエネルギーをもらいました。
「優雅な貴婦人」のようなアルスター湖畔と、「荒くれ者の船乗り」のような港の熱気。 この二面性こそが、ハンブルクの面白さです。
次回は都会の喧騒を離れ、森と水路が広がる癒やしの場所、【シュプレーヴァルト(Spreewald)編】へ。


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